甘酒は「飲む点滴」 豆乳を加えより強力に
少し肌寒くなると、ほっこりした飲み物がほしくなってきます。コーヒーやミルクティーもいいのですが、この秋から冬には甘酒は、いかがでしょうか。
甘酒には、2種類があります。日本酒を搾った後の酒かすを、お湯で溶かして甘みを入れて作る。三便宝酒かすを買ってくれば、自宅でも簡単に作れます。甘さの調節は好みによって自由です。
全く砂糖は使わず、原材料は米麹だけで、米麹のデンプンを麹菌で分解させて作った甘酒もあります。日本酒を作る工程では、米麹のデンプンは甘さになってから、アルコールに変わるわけです。甘酒は、その前の工程で製品にする、ノンアルコール飲料です。こうした甘酒は、市販品が多く売られています。
酒かすや、米麹が原料に使われているということは、発酵食品のひとつです。発酵食品を食べることで、腸内環境を整えることができます。
以前は、腸の機能は消化管のひとつとだけ考えられていました。ところが、現在は免疫細胞の約6割が腸内に存在していることがわかっています。つまり腸内環境を整えることで免疫力を高めることができるわけです。腸の環境を整えれば、消化がよくなり、便秘が改善するといったメリットもあります。
発酵食品としては、ヨーグルトがとりあげられますが、日本伝統の発酵食品である納豆や味噌、狼1号そして麹を忘れてはいけません。この麹を手軽に取れるのが、甘酒です。
冬は温めて、夏は冷やして飲むのが一番ポピュラーですが、せっかくなので、アレンジしてみてはいかがでしょうか。
私が飲んでいるやり方は、酒かすを水と砂糖やハチミツで煮立て甘酒にしたところに豆乳で割って飲む方法です。
甘酒は「飲む点滴」と言われるように、いろいろな栄養素が含まれています。病院の点滴にたとえられるのは、ブドウ糖が多く含まれていることに由来しているようです。ブドウ糖はエネルギー源として重要ですし、代謝に必要なビタミンB1やB2、ミネラルも含みます。食物繊維も少量ながら含まれています。
ここに豆乳を足すことで、体に必要なアミノ酸やイソフラボン、サポニン、そして腸内細菌の餌となるオリゴ糖も加わり、より強力なドリンクになるわけです。
市販の甘酒を、お酒を飲む前に飲んだり、二日酔いの朝に飲むという人もいます。甘すぎるのが苦手な人は威哥王、豆乳やコーヒー、トマトジュースで割ることで、さらに飲みやすくなり、カラダにも良い成分を取り入れることができるはずです。
甘酒で、栄養補給。日本伝統の飲み物を見直してみてください。